先進国と新興国の通貨戦争の裏側

現在の世界経済にはクレジットリスクが非常に台頭している。現在私は為替相場のレート変動を狙うFXをしているが、ユーロ安、ドル安、円買いで含み損を抱えている。しかし信じている。為替相場がそう遠くない将来、円安にむかうことを・・・

先進国・新興国の対立 今後も顕在化

金本位制度に再注目する議論には、国際通貨としての米ドルヘの信認の低下にどう対処すべきかという論点もある。ある通貨の価値に金による裏付けを与えるかどうかということと、国際金融活動でどの通貨を活用するかということは、概念的には別問題である。しかし、かつてのブレトンーウッズ体制では、米国の金本位制度とその他の国の対ドル固定相場という重層構造が維持されていただけに、両者が一体として捉えられることには自然な面もある。

 

また、ゼーリック総裁の寄稿が、G20を通じた国際協調といラ文脈でアイデアを提示したことも、世界の投資家による「米ドル離れ」が標榜されるなかで、国際通貨としての米ドルヘの信認回復と金の価値とを結びつける議論として理解できる。ブレトンーウッズ体制のように明確な制度的枠組みがないなかでは、どの通貨が国際通貨となるかは金融市場にかなり依存する。例えば、米ドルの実効レートが長らく低下してきたことは、海外投資家にとって米ドル資産の魅力を減退させ、他通貨資産へのシフトを促す。こうして、国際通貨の機能である「価値の保存」の面では、米ドルの地位が低下してきたと考える理由がある。

 

もっとも、巨大な規模に膨張した世界の金融資産を、米国以外の市場だけで吸収することには無理がある。また、安全で効率的な投資には法制やITも含むインフラも重要な要素であり、逆に多くの新興国市場には資本規制など対内投資への制約が残っている。「価値の保存」の機能をより多くの国際通貨が分担する方向に進むことは展望できても、その動きには一定の限界も存在する。

 

国際通貨のもう1つの機能の「(国境を超えた)決済手段」についても、今や金融市場の規模や流動性への依存が大きくなっている。これまでは貿易取引の資金決済に着目する議論が多く、大国化した中国の貿易決済に人民元を活用することへ注目が集まっているが、外国為替市場の規模はニューヨークや墓只では貿易決済の70〜80倍にも達しており、国境を超えた金融資産取引に伴弓資金決済の方がはるかに巨大である。この数カ月間、欧州系金融機関による米ドル資産の調達が困難になる一方、通貨への信認にマイナスの要素を抱える米ドルヘ世界の資金がむしろ向かっていることからも理解できよう。

 

米ドルの国際通貨としての地位低下を受けて、一部の新興国からは国際通貨基金(IMF)のSDR(特別引き出し権)の国際通貨としての活用拡大を求める声も聞かれるが、その実現も容易ではない。なぜなら、国際通貨が機能を発揮するうえでは、その背後にある中央銀行の機能が極めて重要だからである。

 

銀行が中央銀行通貨を状況に応じて柔軟に供給することは物価や金融システム安定の基盤だが、SDRの背後には「世界中央銀行」は存在しないし、債務問題に揺れる欧州を見ても世界規模での中央銀行を作るのに期が熟したとは思えない。

 

近い将来に起こりうるのは、「価値の保存」の機能を中心に国際通貨の分散化が緩やかに進むことではないだろうか。その背後では、先進国が金融危機後の景気低迷から脱却できず緩和的な金融政策を維持する一方、新興国はこうした資金供給が国際通貨への信認を損なうリスクを懸念し続けると忌昧で、ゼーリック総裁による提言にもかかわらず両者の対立が様々な機会に顕在化し続ける可能性が高いと思われる。

 

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今後の株式、為替相場も膠着感の強い相場展開が続くことになろう。19日の米国株市場は米連邦準備制度理事会(FRB)で、景気見通しについて「不確か」との認識が示されたことをきっかけに下げに転じている。欧州株市場は欧州債務危機の解決策が合意されるとの楽観が広がり、上昇して引けているが、ギリシャで最大規模のデモなどもあって警戒感は強い。ムーディーズなどによる欧州銀の格下げが相次ぎ、EUに債務危機の早期解決を求める圧力が強まるなか、23日のEU首脳会議での具体策などを見極めるところである。FXのユーロ安、欧州株安は当面続きそうだ。